会話についての考察

様々な視点から会話を考える

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大勢の人前で話をする時に意識すべきこと

      2017/10/11

あがってしまうのは良い気分はしない

誰しも人前で上がってしまった経験はしたことがあると思います。

経験上、人前で話をするときに緊張しないコツ、これをすれば大丈夫という明確なものは存在しません。

緊張しているというのは、通常の状態ではなく、物事を遂行する前に不安を抱くことで、人によって度合いは違います。

何かをするというよりむしろ、自分の意識、心の状態に目を向けることが大事だと思います。

あがり症という言葉もありますが、誰でも緊張するものなので、そんな言葉を知って、自分はあがり症なんだと思う必要は全くありません。

むしろ、自分がなぜ緊張するのかという自分との対話をなくして、自分は病気なんだと漠然と思ってしまう方が逆効果です。

病気と思い込むことで原因を追求するのをやめ、解決しないまま毎回上がってしまうということになってしまいます。

この際、あがり症という言葉は一切忘れてしまいましょう。

重要なのは、自分はなぜ上がっているのか、その理由が分かれば対処も出来るのではないでしょうか?

人によってその原因も様々だと思いますが、一緒に探っていければと思います。

人前という理由だけで緊張する訳ではない

人前だから緊張するというのをよく耳にしますが、人前だから緊張しているというのは漠然としすぎていて、語弊があります。

人前であるか否か以前に緊張してしまう精神的な原因がまずあり、それらを合わせた集合体をざっくりと「人前が原因」と言っているだけに過ぎません。

実は普段と同じような緊張状態にあるのに、それが人前に出ることによってより感じやすく敏感になり、時には増幅してしまうという事でしょう。

考え方として、人前だから、という外部的な理由にするのではなく、自分の精神の状態がそうさせているんだと、内面に目を向けていきます。

極論を言えば、人前=緊張するという世界なんてなく、全て自分が作り出したものだと思うべきです。

自分が作り出したのであれば、自分でどうにでも出来るということです。

人前に出る=姿形も見えない大きなモンスター、のように捉えてはいけません。

まずなぜ緊張してしまうのか、自分の目的は何なのか、そもそも緊張することが悪いことなのかなどを考えていく必要があります。

細かく細かく考えていくと、原因が分かってくるはずです。

程よい緊張感とあがるのをごっちゃにしてはいけない

自分が普段日常の生活の中で、どの時に緊張するのかまず振り返ってみましょう。

これもまた人によると思いますが、大人数の人前じゃなくても緊張することは多々あるはずです。

普段も緊張している場面はあるはずなのに、たまたまそれが人前だったというだけで、自分は人前で緊張してしまうと思い込んではいないでしょうか?

仕事をしているとき、例えば接客の仕事でお客さんと接するとき、その人が初対面か常連かに関わらず、丁寧に接しようと思えば緊張感は込み上げてくるはずです。

もしくは、一人で何か絵を描いていたり、何かを作っているとき、ここは重要だ、ちゃんとやらねばという場面で緊張するはずです。

むしろ、それは適度な緊張感であり、それがないと逆に仕事の出来は中途半端なものになってしまったりします。

お客さんに対しても緊張感のない適当な態度が逆に怒らせてしまうこともあるでしょう。

そういう緊張感はどこから来るのかというと、責任感でしょう。

ここは重要だからちゃんとやりたい、という気持ちがゆえに来る緊張であり、これは人前かそうでないかは関係ありません。

人間も動物であると考えれば、あえて緊張することによって心拍をあげて血流を良くし、頭の回転を速くしようという防衛本能ではないでしょうか?

これを人前だからと思ってしまうのは勘違いであり、何か目的を遂行するために最低限必要なもので、あがるということとごっちゃにしてはいけません。

程よい緊張というものは、時に最高の結果をもたらすこともあります。

ひどくあがるとは何か?

ひどく緊張してあがってしまうという状態は自分も経験したことがあります。

人前に出たとたんに頭が真っ白になり、何を言えばいいのか分からず、とりあえず思い出したことを言いますが、言い方も棒読みで伝えたいことも伝わらず、見ている人にしてみたらポカーンとしてしまう様な状態です。

ぐずぐずな展開でなんとか終わってみたら、恥ずかしいやら今まで準備してきたことが台無しになった虚無感やらで、この世の終わりの様にただただ呆然としてしまいます。

まさに真っ暗闇で何も見えていなく、何が何やら分からない状態です。

人前に出ること自体をすごいことだと思い込んで、自分が何がやりたいのかという本来の目的を忘れてしまったために起きたことです。

何かをする以前に、人前に出ること自体が目的にすり替わってしまっていました。

程よい緊張感どころではなく、訳が分かりませんでした。

こういう状態に陥らないためにも、自分の心理状態を知り、目的を明確にしておく必要があります。

必要以上に緊張してしまう心理的理由

もし、人前で話をしようとしていることが、人がいなければ緊張せずに出来るのに、人がいることで過度に緊張してしまうのであれば、それには無意識的に心理的な要因が大きく関わっています。

本来やろうとしていることに集中できていないという事でしょう。

どんな心理的な理由があるのか、紹介したいと思います。

1.すごいと思われたい

大勢の前で自分が何かを発表すること、何かを言うことで世界が変わると思い過ぎています。

自分がこれからやることはすごいことなんだと最初から自分の中で確定してしまっているので、一言一言、一挙手一頭側全てが重要だと勘違いして、間違えられないと思ってしまっています。

言いたいことを伝えるという事が重要なのに、間違えないことに意識が行きすぎてしまっているので、もう普段通りではありません。

例えば、接客や営業の仕事でも、最初から最後まで全て一挙手一投足、一つでも間違えたら契約につながらないからずっと緊張している、という場面はまず存在しないでしょう。

この人に伝わっているのか否か、相手の顔色や反応を見ながら、基本的にはリラックスしていて、重要だと思う場面で緊張感を持って慎重に説明するという感じではないでしょうか。

時に言い間違えたり、噛んだりすることはあっても、それをその都度謝ったり、言い直したり普通に出来て、間違えることを恐れてはいないはずです。

例え大勢いようがやることは同じなのですから、それと同じ感覚で行えばいいだけです。

それが出来ないのは、自分がこれをすることによって自分の株や地位が上がる、すごいと思われるなど、何かを得ようと欲を心に抱いているからではないでしょうか?

そもそも人前に出ること自体すごくもなんともありませんし、これを自分がやったことで世界は何も変わらない、株も上がらなければ地位も変わらない、ただやるだけだとストンと欲を捨ててしまえば、やることに集中できるのではないでしょうか?

結果、地位が上がったり、株が上がったりすることはあったとしても、それは未来の結果論であり、今は「これを発表したからなんだ?」くらいに思っておきましょう。

2. 普段より良い自分を見せたい

人前という事で、普段より格好良い自分、素敵な自分に見せようと背伸びしてしまいます。

普段より良い自分なんて、急に出るはずがありません。

それなのに、良く見せようという意識が働き、普段使っていない言葉使いや体の動きをしようとしたりして、緊張につながります。

自分が普段やっていなくて、しかも出来たことがあまりないことを急にやろうとするのは緊張して当たり前です。

普段出来る確率が80%ならまだしも、5%くらいのものをやろうとすれば、それだけ成功率は低いわけですから、失敗するかもという不安は強くなります。

そんな賭けはせずに、自分が普段出来ることだけで構築していくと不安も少なくなり、緊張しづらくなります。

アドリブで出来そうならやればいいわけで、背伸びする必要はありません。

3.笑いをとりたい

これも上記の二つに近いですが、基本的にご法度です。

意識せずに自然と言った一言、自然と空いた間が、見ている人から面白く見えて笑ってくれたというのが最高で、意図的に笑わすというのは至難の業です。

笑いを取ろうとする時は、大抵「これはウケる」と思い込んで言うという作為的な意識が働くため、言おう言おうと思ってしまって余計に緊張感を煽られます。

そんなガチガチになって無理やり言った一言が意図通りにウケるなんてことは絶対にありません。

ウケたとしてもそれは自分の意図ではない所でウケているんでしょう。

ウケを狙ってはずすとさらに取り戻そうと焦って変な感じの連鎖になってしまいます。

見ている人を退屈させないためにはユーモアも必要かな?などど考えがちですが、決してそんな必要はありません。

感情が乗っている話し、丁寧な分かりやすい話しは、それだけで聞いている側にとって楽しく感じるものです。

人前での話し方は基本的に存在しない

よく大勢の前で話をする時に間違って意識してしまうのは、目の前にいる人全員を相手にしていると思い込んでしまうことです。

見ている人の顔をちゃんと見渡さないといけない、声が伝わらなければいけない、ちゃんとした話口調でなければいけない、ちゃんとした姿勢でなければいけない、etc、etc・・・。

そういう強迫観念は、基本的に全て形のない幻想を相手にしていることから起こるもがきです。

それが過度な緊張につながるだけでなく、一方的な演説になりかねません。

目の前にいる人と会話するという機能しか人間は持ち合わせておらず、大勢に向かって話す話し方なんて存在しません。

それは無理やり大勢に向けてしゃべっているだけの話しで、ベースは面と向かってマンツーマンでしゃべるというスタイルです。

それが、大人数になり、距離も離れて、場合によっては大きな声で言うという事になっただけです。

つまり、大勢としゃべるということは元々できないのですから、普段誰か一人としゃべっているような感覚になれば良いわけです。

もし、マンツーマンで一人に向けてプレゼンするとしたら、最低限緊張はするでしょうが、きっと分からない所はすぐに聞いてくれたり会話形式になるので、変な意識は働かないはずです。

大勢を相手にするという意識は全部捨ててしまって、一人に分かりやすく説明するという意識が必要です。

会話形式と違って、大勢の前で一人でしゃべるのは反応がないから孤立した状態になってしまい、ペースがつかめずに焦ったりしてしまいます。

それは、誰かにしゃべっているという感覚が失われているからでしょう。

なぜ失われているのか、それは相手が反応しないというだけでなく、普段は普通に会話でやっている、自分からの相手への働き掛けもしていないからです。

では、どういう働きかけが必要なのでしょうか?

どんどん投げかけて引き込んでいく

ただ一方的に演説するのであれば、それはマンツーマンだろうが大勢の前であろうが、緊張するしないに関わらず、聞いてる側は耳を傾けてくれないでしょう。

大勢の前であれば、相手からの反応は乏しくなりますから、自分から相手を動かす必要があります。

聞くというのは大きな手段です。

「これは実は~なんです。」と言った後に、「どう思いますか?」と投げかけてみましょう。

聞き方は、実際にマンツーマンでしゃべっている時と同じ感じで聞くのですが、本当に答えるのを待たない方が良いです。

聞いている側に無理やりしゃべらせるのが目的ではないですから、無理に答えさせて行くと、学校の先生に当てられたような感覚になって、聞いている側に変な緊張感が走り、下手をすると不快な思いをさせかねません。

あくまで、自分がリズムを取るために投げかけていくという使い方が良いです。

ちゃんと投げかけることが出来れば、実際に答えなくても、心の中では考えているはずです。

「こうなるはずですよね?」「なんでだと思います?」「これみて気になることありませんか?」などと投げかけていくうち、自分がまるで誰かとしゃべっているかのような感覚に陥ると思います。

そうなったら、もう緊張はどこ吹く風で、あとは感情に任せて言いたいことを言っていくだけです。

投げかけることは、全体を通して忘れてはいけません。

感情が乗っている話は面白いし、しゃべりやすい

厳粛な場で、感情を出してしゃべるのは難しいと思われるかもしれませんが、丁寧な言葉使いでも、十分感情を出すことは可能です。

むしろ、聞きやすい人の話しは、時に笑ったり、真剣な顔をしたりと、感情の流れが聞いている側からよく見えるはずです。

感情が乗っていると、知らず知らずのうちに聞いている側に同意を求めたり、意見を聞いていたりと、投げかけることを自然とたくさんしています。

喜怒哀楽が豊富に混じっている話をしていて、言葉使いも失礼でなければ、不快に感じる人はまずいないでしょう。

むしろ、あの人は熱い人だと、良い印象を抱かれるかもしれません。

理想はナチュラルに感情の乗った話しを投げかけながら出来ることですが、それもいきなり無理にやろうとしてはいけません。

そういう話し上手の人は、きっと普段から話し上手なはずで、感情を惜しみなく振りまいているような人ではないでしょうか?

普段からやっていることだから、人前で出来るとも言えます。

最高の形は、普段から感情豊かに話が出来て、それが例え人前でも変わらずにそのままであるということだと思います。

普段と同じことをしているだけなので、気負いもなければ過度な緊張もしない。

やることと言えば、声のボリュームを変えるくらいのものです。

誰でも人前でしゃべれる様になる

人前で話すことが苦手だと思ってしまっている方は、自分がどういう気持ちになっているから緊張してしまうのか、また、普段自分はどんな場面で緊張し、どんなしゃべり方をしているのか、まず振り返ることから始めると良いと思います。

いざしゃべる時は、普段のしゃべり方で、伝えたいことに集中しながら、聞いている人に適度に投げかけつつリズムを取るといいです。

また、普段のしゃべり方から、改善点があれば今のうちに底上げしてしまうことも必要です。

自分の経験上、色んな人を見ていても、誰でも人前でしゃべれるようになります。

その内容自体の良し悪しは別ですが、基本的に普段と変わらなくて良いんだと分かってしまえば取るに足らないことです。

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